シティボーイは泣かない。

古い引き出しの奥に、ずっとしまわれていた手紙のような話。

焼肉の網は最後まで同じでもいい。

 二次会帰りの夜は嘘みたいに空気が澄んでいて、吐く息は白かった。

 3年間続けた部活を引退した。正確には、1年生の前期の途中から入ったので、2年と半分。あっという間だった。「引退」という言葉を使うは高校のサッカー部の時以来で、これから先はもう使うことはないだろう。

 思い返せば、特に胸を張って話せるような話はなく、いつも失敗が付き纏っていた気がする。何かにつけて自分のこだわりを押し付けていた気がするし、我儘も沢山言った。同期始め部員たちには、すごく窮屈な思いをさせていたと思う。他の部活の方々にも。本当に申し訳ない。

 

 「何か」を得られる気がして生徒会に入った。結果として、その「何か」を得られたかと言われると、具体的には言えない。むしろ、何も得ていない気もする。終わりが近づくにつれて、ずっとずっと自問自答してきた。だけれども、答えは一向に出てこないままに終わりを迎えてしまった。多分、答えが出てくるのはもう少し先の話。

 馬鹿みたいな話で誤魔化さないで、もっとみんなと話せば良かった。たくさん一緒に飲みに行けばよかった。好きな映画の話、好きな本の話。好きな音楽、スポーツの話。好きな食べ物や、嫌いな食べ物の話。どこで生まれて、どこで育ったのか。昔住んでいた街はどんな所だったのか。これから行ってみたい場所はどこか。どんな自分になりたいのか。もっとみんなが誰なのか知りたかった。もっと。

 いつか終わりが来るとは分かっていたけれど、緩く流れる時間に麻痺して、終わりが来るその日から目を背け続けた。その結果としての後悔が、寝ても寝ても消えない。

  最後に、みんなの前で話す事ができなかったので、もしも誰か見ている人がいたらと思い、普段は身内に公開していないこのブログに考えた事を書きました。僕はみんなが色紙に書いてくれたような立派な人間じゃないし、むしろみんなに助けてもらってばかりでした。もう時効なので言えますが、やや精神的に追い込まれ、体に不調が出ていた時期がありました。四六時中眠くて、食欲も湧かない。それなのに、大学からのタスクは滝のように流れ込んでくる。さすがに一人で頑張るのはキツかった。できる事なら逃げ出したかった。そんなピンチの時、みんなが率先して能動的に動いてくれていたお陰で、なんとか今の自分がここにいます。充分に恩返しができないままに立ち去ることになってしまって申し訳ありません。

 

みんなならきっと大丈夫。僕なんかよりも断然やるべき事を確実に熟せるし、助け合いながら前に進んでいける。本当。

MACの15.4インチの画面から打ち込むだけでは、感謝の気持ちは到底伝えきれないけれど、本当にみんなに救われました。ありがとう、そしてまた。